IT導入補助金活用事例:業務自動化ツール導入で300万円の補助を獲得した方法

IT導入補助金活用事例:業務自動化ツール導入で300万円の補助を獲得した方法

📅 2025年11月 ⏱️ 約8分 🏷️ IT導入補助金, 活用事例, 業務自動化, n8n

✅ この事例でわかること

  • 実際の申請から採択までの全プロセス(4ヶ月間)
  • 補助金300万円を獲得した具体的な申請内容
  • 業務自動化で得られた実際の効果(数値データ)
  • 申請書類の作成ポイントと審査対応のコツ
  • 導入後の運用体制と ROI(投資対効果)

🏢 企業プロフィール

株式会社サンプル製作所(仮名)

業種 金属加工・製造業
従業員数 28名
年商 約8億円
所在地 愛知県
設立 1995年

😰 導入前の課題

1. 業務の属人化と手作業の多さ

  • 見積書作成: Excel手入力で1件あたり30分、月間200件 = 100時間
  • 発注書処理: メールから手動でシステム入力、1件15分、月間150件 = 37.5時間
  • 在庫確認: 複数システムを手動確認、1日2時間 × 20日 = 40時間
  • 請求書発行: 手作業で照合・発行、月末に集中して50時間
227.5時間
月間の手作業時間
30%
ミスによる手戻り率
3名
事務作業専任スタッフ

2. システム間のデータ分断

  • 販売管理システム(オンプレミス)
  • 会計ソフト(クラウド)
  • 顧客管理(Excel)
  • 在庫管理(独自Access)

これら4つのシステムが連携しておらず、データの二重入力が発生していました。

💡 導入したソリューション

システム構成

📦 導入ツール・サービス(総額600万円)

  1. 統合基幹システム: kintone(年間ライセンス + カスタマイズ)- 300万円
  2. 業務自動化プラットフォーム: n8nベース自動化サービス - 150万円
  3. 会計ソフト連携: freee会計API連携設定 - 50万円
  4. 導入支援・研修: システム設計、データ移行、社員研修 - 100万円

✅ IT導入補助金(通常枠A類型)採択額: 300万円(補助率1/2)

実質負担: 300万円(補助金活用により半額で導入)

自動化したワークフロー

業務 自動化前 自動化後 削減効果
見積書作成 30分/件 5分/件 83%削減
発注書処理 15分/件 自動(0分) 100%削減
在庫確認 2時間/日 リアルタイム自動 100%削減
請求書発行 50時間/月 10時間/月 80%削減

📅 申請から導入までのタイムライン

2024年6月(1ヶ月目)

準備・計画

  • IT導入支援事業者への相談開始
  • 現状業務の課題整理とヒアリング
  • 導入ツールの選定と見積もり取得
  • 社内稟議・予算確保
2024年7月(2ヶ月目)

申請書類作成

  • gBizIDプライム取得(2週間)
  • 事業計画書作成(IT支援事業者がサポート)
  • 導入効果の数値シミュレーション
  • 申請書類一式の提出
2024年9月(4ヶ月目)

採択通知

  • 交付決定通知を受領(申請から約2ヶ月)
  • IT支援事業者と正式契約
  • 詳細要件定義の開始
2024年10月〜12月(5〜7ヶ月目)

システム構築・導入

  • kintoneアプリ構築(2ヶ月)
  • n8n自動化ワークフロー設定(1ヶ月)
  • 既存データの移行
  • 社員向け操作研修(3回実施)
2025年1月(8ヶ月目)

本番稼働・実績報告

  • 全社での本番稼働開始
  • 事業実績報告書の提出
  • 補助金の入金(報告から約1ヶ月後)

📝 申請書類作成のポイント

1. 事業計画書で重視した点

✅ 具体的な数値目標を明示

  • 業務時間削減: 227.5時間/月 → 50時間/月(78%削減)
  • ミス削減: 月間60件 → 5件以下(92%削減)
  • コスト削減: 人件費換算で年間400万円削減
  • 売上向上: 空いた時間を営業に充て、年間10%増収目標

2. 審査で評価された内容

  1. 現状分析の詳細さ: 業務フロー図と工数データを添付
  2. 導入効果の具体性: Before/Afterを数値で比較
  3. 継続利用の計画: 3年後までのロードマップを記載
  4. 社内体制: 専任担当者の配置と研修計画
  5. 投資回収計画: 1.5年でのROI達成見込みを提示

3. 添付資料

  • 業務フロー図(現状 vs 導入後)
  • 工数集計表(3ヶ月分の実データ)
  • システム構成図
  • 見積書(IT支援事業者発行)
  • 会社案内・決算書(直近2期分)

📊 導入後の効果(6ヶ月経過時点)

185時間
月間作業時間の削減
93%
入力ミスの削減率
1名
人員の営業部門への配置転換
12%
売上増加率(前年同期比)

定量的な効果

指標 導入前 導入後(6ヶ月) 改善率
月間事務作業時間 227.5時間 42時間 ▲81.5%
データ入力ミス 月間58件 月間4件 ▲93.1%
見積書作成時間 100時間/月 17時間/月 ▲83.0%
請求書処理時間 50時間/月 8時間/月 ▲84.0%

定性的な効果

  • ✅ 社員の残業時間が平均で月20時間削減
  • ✅ リアルタイムでの在庫・売上確認が可能に
  • ✅ 経営判断のスピードが向上(週次レポート自動生成)
  • ✅ 顧客からの問い合わせ対応が迅速化(即答率80%→95%)
  • ✅ 事務スタッフのモチベーション向上(単純作業からの解放)

💰 投資回収(ROI)

1年4ヶ月で投資回収達成見込み

初期投資

  • 総額: 600万円
  • 補助金: 300万円
  • 実質負担: 300万円

年間削減コスト(試算)

  • 人件費削減: 320万円(事務作業時間185時間/月 × 時給3,000円 × 12ヶ月)
  • ミス対応コスト削減: 50万円
  • 残業代削減: 80万円
  • 合計: 450万円/年

投資回収期間 = 300万円 ÷ 450万円 = 0.67年(約8ヶ月)

※ランニングコスト(年間150万円)を考慮しても、1年4ヶ月で回収見込み

⚠️ 導入時の課題と対策

直面した課題

  1. 社員の抵抗感: 「今までのやり方で問題ない」という声
  2. データ移行の複雑さ: 過去5年分のデータ整理に想定以上の時間
  3. 操作習熟の時間: 特に年配社員の習得に時間がかかった

実施した対策

  1. 経営トップのコミットメント: 社長自ら研修に参加し率先利用
  2. 段階的な導入: 見積書作成から段階的にシステム化
  3. 手厚いサポート: 導入後3ヶ月は週1回の定例サポート
  4. マニュアル整備: 動画マニュアルを作成し、いつでも視聴可能に

📝 これから申請する企業へのアドバイス

  1. 早めの準備開始: 申請から入金まで約8ヶ月、余裕を持って計画
  2. IT支援事業者選びが重要: 実績豊富で申請サポートに強い事業者を選定
  3. 現状データの収集: 業務時間やミス件数など、客観的なデータを3ヶ月分蓄積
  4. 社内の合意形成: 申請前に全社員への説明会を実施
  5. 具体的な数値目標: 「効率化」ではなく「78%削減」など具体的に

📝 まとめ

成功のポイント

  • ✅ 現状の課題を数値で明確化(227.5時間/月の手作業)
  • ✅ 導入効果を具体的に試算(78%削減、年間450万円のコスト削減)
  • ✅ 実績豊富なIT支援事業者との連携
  • ✅ 段階的な導入と手厚いサポート体制
  • ✅ 補助金300万円で実質負担を半額に軽減
  • ✅ 1年4ヶ月での投資回収を実現

💡 あなたの会社でも補助金を活用した業務自動化を

IT導入補助金の申請サポートから、業務分析、システム導入、運用支援まで、トータルでサポートいたします。

無料相談を申し込む(初回30分無料)
📅 最終更新: 2025年11月 ✍️ 投稿カテゴリー: IT導入補助金・活用事例
この記事をシェア: